日本に帰ってきてから、私は家族と暮らしている。
いろんな理由があって、そうなっているわけで、
その理由がぜーーんぶなかったとしたら、一緒には暮らしていないのかもしれない。
なんとかぜんぶの理由を無くそうと思って必死になったことも。
それでも、結局こうやって同じ家でご飯を食べている。
みんなが寝静まったあとに、ひっそりと作業する時間が好き。
でも静けさはほんの一瞬だけ。
騒がしさのもとは父のいびき。「真夜中の動物園」。
かすかに、母がまくらの一番よい所を頭で探している音。
それに混じって聞こえてくるリビングの時計の針が、
そんな夜も、ずーーっと続くのではない「時」の意味を少しずつ、確実に深く切り込んでいく。
うるさいいびきが聴こえなくなったら、きっと不安になるんだろうなあ
音楽っていう、消えていくものと向き合ってきたはずなのに、
自分の気持ちは追いついていないのだ。
覚悟なんて前もってしていたって、心はよわい。
だからこそ、ありきたりだけど、精一杯やろうと思う。
眠くなってきたので、寝ます。